ひと気のない駅のホームにすわりつづけていた少女は
すぐそばで止まる足音に ふと顔をあげました
「…どこ行くつもりだよ、お前」
三週間ぶりに会う少年は
相変わらずのぶっきらぼうな調子で尋ねました

少女はただ わからない、と首を振りました




無意識に腹部を庇うしぐさに 
少年の疑いは確信に変わりました
しかし 少女はかたくなに認めようとしません

「僕は…僕は、両方ある出来損ないだから…
 独りで遊んでいて、それで…!
 あなたのせいじゃ、な……」

馬鹿にするな、と少年は怒鳴りました
少女のからだを 当人以上に知り尽くしていた少年には
ひとりで妊娠することなど不可能だと
とっくに分かっていたのです

「何が出来損ないだ!?
 お前は女だから…俺の女だから
 俺のガキを孕んだんだろうが!!」


少年は少女の手を強引に引き
やってきた電車に乗り込みました
自宅とも 学校とも 逆の方向へ向かう電車に

「どこに…行くの?」

先程の問いを 今度は少女が繰り返します
「…さあな」
少女の顔を見ないまま 少年はつぶやきました
+マエ+ + モドル + ツギ+


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